第47回全国大会 終了報告

全国大会委員会 委員長 小尻智子(関西大学)

2022年8月24日(水)から26日(金)までの期間,教育システム情報学会全国大会を新潟工科大学とオンラインのハイブリッド形式で開催しました.まずはこのような難しい状況下で現地実行委員をお引き受けいただき,そして素晴らしい大会運営をしていただきました新潟工科大学の山岸芳夫先生と長岡技術科学大学の中平勝子先生,そして北信越支部の皆様に御礼申し上げます.また,ハイブリッド形式での大会の運営方法について議論を重ね,大会が盛り上がるよう様々なアイディアを出していただきました大会委員会の皆様に心より感謝申し上げます.また,プレカンファレンスや企画セッションなどの企画をオーガナイズして大会を盛り上げてくださった皆様,ご登壇いただきました皆様,座長をお引き受けいただきました皆様,そして大会に参加いただきました皆様に心よりお礼を申し上げます.

日々変わっていくコロナの感染状況を見ながら対面で開催できるか半信半疑の中,約1年前から対面での準備を始めてきました.8月に新潟県にBA.5対策強化宣言が発令されたときは,対面開催をすることで新潟県や柏崎市にご迷惑をおかけするのではと悩みましたが,補助金を出してくださっている新潟県や大会委員の後押しもあり,3年ぶりの対面開催を決断しました. 3日間で約130名もの参加者が来場し,クラスタを出すこともなく,無事に終了することができました.マスク着用,大人数での会食の自粛などの制限はありましたが,3年ぶりに皆さんの元気な顔を見れたことは想像していた以上に嬉しく,対面で議論できるありがたみを実感した会となりました.

ハイブリッド形式での実施については,パソコン・カメラ・集音マイク等の機材の準備に加え,オンラインと対面の参加者が円滑にコミュニケーションをとれるよう,様々な工夫をこらしました.例えば,セッションではカメラで会場の様子を映したり,会場担当が会場の質問者とオンラインの座長の間を取り持つなどし,参加者がいる場所に関わらず議論がしやすくなるようにしました.初日のメイン会場では,舞台全体を映すカメラの映像と発表者の手元のカメラ映像を適宜切り替えることで,オンラインの参加者にも会場の様子をできるだけ伝えられるようにしました.さらに,企業展示のスタンプラリーをQRコードを利用した形式に変えることで,オンラインの参加者も企業展示に参加しやすくなるようにしました.これらの工夫で得られたノウハウは,今後ハイブリッドで開催する様々なイベントに活用していけたらと思っています.

さて,「ニューノーマル時代のインクルーシブ教育を支える教育・学習支援技術」というテーマのもと,大会初日にはインクルーシブ教育に焦点をあてた企画を行いました.特別講演では,文部科学省初等中等教育局の深草瑞世調査官より,インクルーシブ教育の推進のための教育・学習支援技術の役割や,それらに期待することについてお話いただきました.メイン企画では兵庫教育大学の小川修史准教授をはじめとする一般社団法人日本障がい者ファッション協会の皆様に,障がい者ファッションでのパリコレへのチャレンジをとおして,ソーシャル・インクルージョンを実現する社会の在り方について熱く,そして笑いを交えてお話いただきました.これらの講演は,インクルーシブ教育に対して私たちが持つべき意識や支援の在り方について考えることのできる良い機会となりました.

最後に,来年の全国大会は東大阪市にある近畿大学で開催予定です.どのような形式で実現できるかはわかりませんが,皆さんが参加しやすく,皆様にとって実りのある形式で開催したいと思っています.来年こそは懇親会も開催できるよう関係者一同準備を進めてまいりますので,是非来年もご参加ください.